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11/12/01  , ICEX
世界が注目するスペインのヘルスケア・マネジメントとデジタル医療
スペインのヘルスケア・システムは、効率的なマネジメントとIT技術の導入度の高さにおいて世界的に知られている。
 

スペインは、医療サービスの分散化と情報通信技術の導入からわずか10年で、すばらしい成果をあげ、今やヘルスケア・マネージメントとeヘルスの分野で世界の最先端の国である。eヘルスとは、EUの定義によれば「病気の予防、診断、治療、モニタリング、マネージメントの各業務において使用される、健康及びライフスタイルに関連するITツールの集合体」であり、患者と医療従事者の相互性、医療機関同士でのデータのやりとり、ヘルスケア関連の情報ネットワーク、カルテ、電子処方箋、遠隔医療サービス等を含む、幅広い概念である。

スペインの医療モデルは、その先進性、カバーする範囲の広さ、すなわちサービスの汎用性、またその効率の良さ(GDP医療支出は、米国16%、カナダ12%に対してスペインはわずか8%)から、ブラジル、メキシコ、チリのような新興国だけでなく、米国、中国のような先進大国にとっても目標となっている。特筆すぺきは、例えば、バスク地方在住者がアンダルシア地方での休暇中に医療機関を利用する場合、自分のカルテに直接アクセスすることができ、普段と全く変わらない医療サービスーを受けられる、ということである。これは研究開発に対してなされた多額の投資の成果である。これは、2006年にスタートしたスペインの国家情報社会戦略、「Plan Avanza」によるところ大きい。この計画に基づき、6年間に約45,000がスペインのeヘルスの発展に充てられる。

この医療ネットワークの構築は、アンダルシア地方からスタートし、全国的レベルでは、電子カルテに対する取り組みから始まった。今日ではスペインのプライマリ・ケア担当医師の97%がスペインのどこの地方の患者の関連資料にもアクセスすることが可能になっている。スペインのeヘルスの成果は他にもあり、医療ICカードやインターネット予約の導入、またアンダルシア、エストレマドゥーラ、バレアレス諸島で導入された、薬剤師に慢性的な患者や高齢の患者に処方箋を処方する機能を与えることにより、プライマリ・ケアの迅速性を高める、いわゆる電子処方箋等である。

近年、スペインのeヘルス産業は、近代的ヘルスケア・システムの設計と導入に積極的に取り組んできた。その結果、スペインのデジタル医療関連企業の経験と知識が認められ、海外での大プロジェクトにおいても高く評価されている。EU12ヶ国が域内の人々のヘルスケアの向上のため、秘密保持に配慮しつつ、各言語によって作成されたカルテにアクセスすることを可能にするepSOS (Smart Open Services for European Patients)プロジェクトにおいても、スペインは先端を行っている。

現在、米国や中国のような大国が医療制度改革を強く推進しており、この分野で競争力を持つスペインにとっては大きなチャンスである。米国の医療制度改革は、もともとオバマ大統領自身のリーダーシップで始められたもので、2009年のアメリカ復興・再投資法(American Recovery and Reinvestment Act - ARRA)可決以来、約375の公的資金がeヘルスに投資された。それ以外に、民間セクターに対して1年に400が充てられることが予測されている。中国は、2009年半ばに医療制度改革に着手した。このため、中国当局は約960の投資を予定しており、その中で少なくとも10は通信、ソフトウェア、その他の技術設備に充てられる見込みである。

この分野におけるスペインの専門企業は、数は多くはないが、海外で大きな成果を上げている。例えば、Indra社は、バーレーンの今後10年間の公的医療システム開発の受注に成功した。先ずは

電子登録システムを作り、普及させた後、遠隔医療の機能を付け加えることになっている。また、Indra社は欧州宇宙機関-ESA(European Space Agency)のアフリカにおける遠隔医療プロジェクトも担当している。海外におけるスペイン企業のeヘルス・サービス関連分野でのもう一つの成功例は、GMV社である。同社はカルタヘナ(コロンビア)で、地元の5つの病院を繋ぐネットワーク構築、遠隔医療サービスのプラットフォームの開発を行い、ラテンアメリカやアフリカで事業展開を行っている。また、コンサルティング会社、Oesiaは昨年、メキシコの1,000万の公務員が加入している社会保険 システムのデジタル化と自動化の契約を受注した。同社はペルー政府の10の病院のデジタル化を推進するプロジェクトにも参加し、米国では現地のPerot System社との提携を通じて、さらに事業を拡大している。

 

ブラジル:発展著しい市場

スペインのヘルスケア・マネジメントのモデルやeヘルス産業の知名度を上げるために、スペインIT・コミュニケーション・デジタルコンテンツ産業協会-AMETIC(Asociación Española de empresas del sector TIC, las comunicaciones y los contenidos digitales)は、スペイン貿易庁ICEXと産業・観光・商務省、社会・情報・テレコミュニケーション 局-SETSI(Secretaría de Estado de Telecomunicaciones y para la Sociedad de la Información)のサポートを受け、またマドリード、バレンシア、ガリシアの各自治州とも協力して、1212~17日、ブラジルの政府・医療関係者からなる視察ミッションを招聘する。これは2011年にスペインの地方州政府や勧業省との協力により始められた「ブラジルにおけるインフラストラクチャー・プラン(Plan de Infraestructuras para Brasil)」に基づくものである。

このミッションは、ヘルスケア ・インフラやeヘルス関連のスペイン企業に対してこのプランをプロモーションし、ミッション参加者にスペインのヘルスケア ・マネジメントの可能性を示すことを目的としている。

このミッションでは、スペインでの運用例や、マドリード、ガリシア、バレンシアで実際に機能している設備を視察し、スペイン政府関係者や、ブラジルでのプロジェクト参加に興味のあるスペインの同産業関係者との会談も予定されている。

2011年、ブラジルではヘルスケア分野における官民連携-PPP(Public-Private Partnerships)が本格的に始動した。中でも注目されるのは、サンパウロ州保健局によるジョイント投資の大プロジェクトである。このプロジェクトの総予算は4を超え、3つの病院の建築、4つの治療センター、医療 設備の供給、サービスの提供、等に関わる投資が見込まれている。このプロジェクトでは、ミナスジェライス、バイーア等、他のブラジルの州での経験が、スペインにとって優位に働くことになろう。また、最近、リオデジャネイロ州がヘルスケア・マネジメントのための情報システム開発と導入計画のため、公開入札を行うとの発表もされている。

 

 
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