| 国境を超えるスペイン玩具 | ||||
| スペイン玩具は世界中で評価されており、海外拠点を活用しながら積極的に国際事業展開を行っている。 | ||||
![]() |
昔々、世界中の子ども達の夢を叶えるために、一生懸命にものづくりに励んでいた人達がいました・・・。国際化を旗印に、年ごとに海外での評価を確かなものにしてきたスペイン玩具産業について語るには、このように始めるのがふさわしいかもしれない。グローバル化が進み、しばしば主役が交代するこの世界で国際的な地位を維持するのはたやすいことではない。現に、かつてはスペイン玩具業界のライバルと言えばイタリアやドイツであったのが、近年はそこに中国が入り込んできている。 スペイン玩具製造協会AEFJ (Asociación Española de Fabricantes de Juguetes)によれば、スペイン玩具産業の強みは、デザイン性に優れ、高品質で、知育玩具としても評価され、かつ価格競争力が高い製品を作り出している点である。スペインで玩具メーカーとして登録されている計219社のうち、61%は恒常的に輸出を行っている。また、ほぼすべてが中小企業であることもスペインの玩具産業の特色である。そのうちの多くは零細企業で、同産業に従事する5,000人のうち80%が零細企業に属している。 2011年の1月から11月までのスペイン玩具の輸出は、3億4,200万€に達している(速報値)。主な輸出相手国は、フランス(7,892万€)、ポルトガル(7,148万€)、 イタリア(4,090万€)である。 EU圏外では、メキシコ(1,256万€)、ロシア(747万€)に対する輸出が多い。製品の種類別で見ると、輸出量が多いのは、車輪付き玩具(三輪車、キック・スクーター、ペダルカー、人形用ベビーカー等)、テーブルゲーム、パーティー・マジック・グッズ等である。 スペイン製玩具が世界市場で高い評価を得ている理由は、高品質で、値段が手ごろであることに加え、スペイン玩具製造協会AEFJとスペイン貿易庁ICEXが海外で推進してきたプロモーション・プランによるところも大きい。このプランにより、「トイズ・フロム・スペイン(Toys from Spain)」の統一ブランドのもと、主要な国際見本市においてスペイン玩具企業の存在感が高まり、輸出強化市場におけるキャンペーンが展開されている。
市場=世界 国際市場においてチャンスをつかむことを目指し、スペイン玩具企業が、より遠くの国へ商品を売り、またそれらの国へ進出することを望むのは当然である。人形で有名な老舗玩具メーカーFamosa社は、先般ニュージャージーに販売拠点を開設し、米国への進出を成し遂げたところで、ここから恒常的に米国全土に輸出することを計画している。同社が米国市場において販売する玩具の多くを製造するのは、従業員150人を擁するメキシコ工場である。同社はまた、ヨーロッパ(フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル等)、中国、プエルトリコにも進出している。 Eoloグループは2005年、フライング・トイと凧の製造に特化して、中国、具体的には香港を手始めに海外進出に乗り出した。現在は、米国における受注管理を行う物流会社と契約し、米国はもちろん、全アメリカ大陸での事業展開を目指している。 設立10年にも満たないながら、既に欧州19ヶ国に輸出、現在は売り上げの35%を輸出が占めているというジローナのEureka Kids社の主な市場はヨーロッパである。現在、同社の昔ながらのスタイルの知育玩具は、最大の輸出相手国であるイタリアで19の販売拠点を持ち、150万€を売り上げている。 スペイン玩具業界大手Imaginarium社の海外での事業展開についても言及する必要があろう。 サラゴサに本拠を置く同社は、設立20年足らずでギリシャ、中国、イスラエル、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、ルーマニアといった様々な国に進出している。先頃、香港に物流組織を設立し、そこから世界中にちらばる350以上の販売拠点に商品を供給している。
ニュルンベルク国際玩具見本市(Spielwarenmesse) 2012年2月1~6日、世界最大の玩具見本市がドイツのニュルンベルグで開催される。今回で63回目の開催となるニュルンベルク国際玩具見本市(Spielwarenmesse)には、多彩なスペイン玩具企業が出展する。「トイズ・フロム・スペイン(Toys from Spain)」の統一ブランドのもと、合計約90社が参加し、同見本市のほぼすべてのパビリオンでスペイン企業の展示を目にすることになる。多くのスペイン出展企業の中で特に注目されるのは、Famosa、Tecnytoys、Educa Borrás、Eolo Sport、Diset, Miniland、Falca Toys、Moltó、Gonher、Cefa Toys、Injusa y Coloma、Pastorの各社。今年は、人形、ぬいぐるみ、おもちゃハウス、車、組み立てブロック、テーブルゲーム、実験型ゲーム等のメーカーの出展が多い。 出展企業を所在地別に見ると、バレンシア州 (全体の46%、主にアリカンテから)と26%のカタルーニャ州(バルセロナ)からの企業が多い。マドリード(7%)、ムルシア(6%)、ナバーラ(5%)、バスク(3%)、アストゥリアス(2%)の各州からも出展しており、残り5%は、アラゴン(サラゴサ)、バレアレス諸島(パルマ・デ・マヨルカ)、カンタブリア、カスティーリャ=ラ・マンチャ(トレド)、エストゥレマドゥーラ(カセレス)からの企業である。 スペイン貿易庁ICEXは、同見本市内にインフォーメーション・スタンドを設け、スペイン玩具に興味を持つすべての人を対象とした相談窓口とする。また、「Das Spielzeug」、「Baby&Junior」、「Stil&Markt」の各誌にICEXと在デュッセルドルフ・スペイン経済商務部による広告を出す等、様々なプロモーション活動も行っている。さらに、ドイツの玩具業者の協会では、同見本市に出展中で、輸出パートナーを募集しているスペイン企業についての情報提供を行っている。同見本市に出展している主要スペイン企業についてのカタログ(印刷版、電子版)も提供している。 玩具業界で最も重要な国際見本市であるニュルンベルク国際玩具見本市には、世界中から主要玩具メーカーやバイヤーが集まる。今年は世界63ヶ国から2,700の出展があり、展示製品は100万個以上(うち7万個が新製品)と予測されている。展示場は約16万m2に及び、世界114ヶ国から79,200人の業界関係者が来場するとみられる。これらの数字は、このイベントの国際的評価の高さを裏付けている。 今年のスペインからの出展数は、ドイツ、中国、イギリス、イタリア、フランス、米国、オランダに次いで第8位である。 ドイツは、フランス、ポルトガル、イタリアに次いで、スペイン玩具の輸出相手国として第4位で、スペイン玩具の輸出全体のうち約8%を占める。2011年1月から11月までの11ヶ月に、スペイン玩具はドイツに2,667万€を輸出している。
|
|
||||||||||||||||