3. 非居住者所得税 |
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2004年3月5日付けの機関勅令第5号で承認された非居住者所得税改正法と2004年7月30日付けの勅令第1776号の施行規則によりスペイン領域内で非居住者と非居住会社が得た所得についての税務が規定されている。 前述の様に非居住者所得税は非居住者が他のEU諸国で居住者であることを証明できその勤労所得と専門職からの所得をスペインで得ていてその所得が総所得の少なくとも75%ある場合にはスペインで居住者として申告することを選択できると規定している。 非居住者所得税を適用するかどうかの鍵は恒久的施設をスペインで有しているかどうかである: - 恒久的施設を経由して得た所得 スペイン領域内にある恒久的施設から所得を得た納税者は恒久的施設に帰することが出来る所得についてはどこでその所得を得たか問わず全額課税対象となる。 スペイン法制上の恒久的施設の概念はOECDモデルの考えと一致している。スペインと二重課税防止の為の租税条約を結んでいる国の居住者あるいは居住会社の場合は、当該租税条約の規定特に恒久的施設の例外規定を考慮してスペインで恒久的施設を構成するかどうか決定される。 一般的に言って、非居住者あるいは非居住会社のスペインの恒久的施設はその正味所得についてスペインの法人と同じ税率(35%)を適用して課税される。 スペインで恒久的施設をもって事業をする納税者はスペイン居住者と同じ条件で源泉をする義務がある。 スペインの恒久的施設で得た所得を外国に送金する際に追加的に15%が課税される。但し、この税金は大半の二重課税防止の為の租税条約の規定により免除されている。 更に、この税金は税務上他のEU諸国の居住会社がスペインで得た所得についても免除されている。 又、非居住者所得税の規定によると、スペイン領域内にある恒久的施設から得られた所得について、非居住者がスペインと二重課税防止に関する租税条約を締結している国の居住者であり、その租税条約に異なる規定が明記されておらずしかも両国にレシプロの関係がある場合にはこの税金は免除されるとされている。 この税金は従い恒久的施設がその所得について既に負担した税金(正味収入の35%)の追加的な性格を持つと言えよう。 この税金の対象となる納税者でスペイン領域で恒久的施設を通じて事業を行う者はスペインの会社のための会計基準に従い会計処理を行う義務を負っている。 恒久的施設の所得に対する課税は以下の状況に従い決定される: - 一般的にはスペインの居住会社と同じ基準で課税基礎が決定され、正味所得に対して35%の税率が適用されて課税される(炭鉱調査開発の場合は40%)。本店の一般管理費で恒久的施設に配賦された分は一定の要件を満たすと損金算入可能である。恒久的施設の会計年度は暦年である。但し、異なった決定をした場合はその限りでない。 更に、恒久的施設が活動を廃止する場合、投資の引き上げをする場合、本店が恒久的施設の住所をスペイン国外に移す場合には会計年度が終了する。 恒久的施設は一般的にスペインの居住会社と同じ基礎控除、税額控除を適用できる。 - 恒久的施設でその活動が6ヶ月以上の建設工事、設備据付あるいは短期的あるいは季節的な経済的活動ないしは天然資源開発である場合には、課税基礎はスペインで恒久的施設無しで得た所得に適用される規定(追って分析予定である)を基に決定される。又発生時期についても各種税務申告義務についても恒久的施設無しで所得を得た場合の規定が適用される。会計処理についても別個に実施する必要は無く取引に関する証憑を保存するだけで十分である。 勿論、この場合一般規定の適用を選択することが出来る。但し、この選択は恒久的施設がスペインで別個に会計処理をしている場合にのみ可能である。この選択肢は恒久的施設の登録をする際に同時に行われなければならない。 恒久的施設がスペインでの収入を決定するに当たり商法上のサイクルを完結しない場合で商法上のサイクルが非居住者により終了される(あるいは非居住者でスペインで恒久的施設を経由して事業を行う)場合かひとつあるいは複数の恒久的施設で終了される場合には法人税法が適用され市場価格で収入と費用が決定される税金が確定される。 別の方法として、費用総額に補助的なつまり会社の目的を構成しない性格を持つ所得例えば利息あるいは料金を加え更に恒久的施設に属する資産のキャピタル・ゲイン又はキャピタル・ロスを加算した額に経済大蔵省が決定する割合を適用して課税基礎を算出する。その割合は15%と決められている。 税額は一般税率を適用して決定されるが、控除や一般制度の割引は適用されない。 税務年度と申告期間は一般の場合と同じである。 - 恒久的施設無しの場合の所得 恒久的施設の介入無しに所得を得る納税者は別個にスペイン領域で得た所得毎に全部あるいは一部に課税される。 以下の所得が恒久的施設の介入無しで得られた所得と考慮される: - 経済活動あるいは経済開発からの所得でそれがスペイン領域で行われた場合 - スペイン領域での役務提供(つまり研究、プロジェクト、技術援助あるいは管理援助)からの収入 - 勤労所得でスペイン領域で行われた個人の仕事から直接間接に派生する場合 - 利息、料金又はその他の動産所得でスペイン領域の居住者あるいはあるいは居住会社又は恒久的施設により支払われたもの - スペインの居住会社により発行された有価証券所得 - スペインにある不動産あるいはそれに関連する権利から派生する所得(非居住者所得税施行規則は更に個人納税者に帰属する所得でその納税者がスペイン領域にある居住地域不動産で経済活動に使用されないものの所有者の場合も挙げている)。 - 動産あるいはスペインにある不動産からの所得又は居住会社の発行する有価証券からの所得 しかしながら、スペインを源泉とする所得でもスペインで課税対象にならないものがある。そのうちの重要なものは下記の通りである: - 商品の国際売買による所得 - 外国にある恒久的施設により非居住者あるいは非居住会社に支払われた収入で元となる提供された役務が外国にある恒久的施設に関連している場合 他方、自己資本を第三者に供与したことから派生する利息及びその他の所得並びに動産からの所得は他のEU諸国の加盟国(タックス・ヘイブンを除く)居住者により恒久的施設の介入無しで得られた場合にはスペインでは非課税である。但し、株式等の譲渡から派生するキャピタルゲインでその会社の資産が主にスペインにある不動産から成り立っている場合あるいは譲渡前12ヶ月以内に一時的にも納税者が直接間接にその会社の株式等を最低25%所有していた場合には課税対象となる。 同様に、スペイン証券市場での有価証券の売却益あるいは投資ファンドの売却益で、恒久的施設の介入無しで非居住者あるいは非居住会社が得たものは、その居住国がスペインと二重課税防止に関する租税条約を締結している国でありその租税条約中に情報交換の約定がある場合は非課税である。但し、タックス・ヘイブン経由で得られた場合には除外される。 同様に、スペインで恒久的施設の介入無しで非居住会社が得た国債からの所得と売却益は非課税である。但し、タックス・ヘイブン経由で得られた場合には除外される。 又、非居住者口座に銀行及び他の金融機関が非居住会社に支払った所得(非居住会社のスペインにある恒久的施設に支払われた場合を除く)並びに恒久的施設の介入無しで得られた所得でそれがコンテイナーあるいは船舶及び航空機を空の状態で国際航海あるいは航空に使用される状態での賃貸、供与、売却から派生する場合は非課税である。 最後に、EUの他の加盟国の居住者である親会社がスペインにある子会社から受取る利益は一定の条件を満たす場合(主に1年間に渡り25%以上株を保有していること)は非課税である。 この規定は親会社がタックス・ヘイブンにある場合あるいは議決権の大半がEU諸国に居住していない個人あるいは法人に直接間接に属している場合は適用されない。 但し、親会社が実際に子会社の事業に直接関係ある事業を行っている場合あるいは子会社の経営管理が設立目的である場合又は実体のある経済的理由により設立され単に不当に非課税を享受する為ではないことを証明できる場合は別である。 1991年に税務当局はタックス・ヘイブンと認定される地域を49箇所確定しているが、その中には伝統的なタック・ヘイブンであるバハマ島、リヒテンシュタイン、モナコ、ジブラルタル更にはルクセンブルグの特定の持ち株会社が含まれている。 スペイン法制では一般的に恒久的施設の介入無しで得られた所得に対して居住会社あるいは居住者に対して適用される一般税率とは異なる低い税率を規定している。通常税金は所得全体に対して計算されるが役務の提供、技術供与、据付工事の場合は別でその場合には課税基礎を計算するに当たり法律の規定に従い人件費、材料費、光熱費等が損金算入される。 キャピタルゲインは一般的に譲渡価値と購入価値の差額で計算されるがそれに対して居住者納税者と同じ法規定が適用される(課税基礎を確定するに当たり関連居住者所得税法とその施行規則を採用している)。 恒久的施設を持たない非居住者からスペインにある不動産を購入するものは購入価格の5%をキャピタルゲインに関する税金の前払い分として源泉し納税する義務を負っている。 この源泉税は1996年12月31日時点で所有後10年以上の経過している不動産には適用されない。 この源泉義務には幾つかの例外規定がありスペイン居住会社の設立あるいは増資に当たり不動産を現物出資する場合がその例である。 恒久的施設を持たない非居住者に適用される税率は下記の通りである:
恒久的施設を持たない納税者が得た所得はその損失を将来の利益あるいはキャピタルゲインで相殺することは出来ない。更に税額控除は源泉税と所得税法に認められた寄付だけが可能である。 税金の発生時期に関して言うと、収入の場合にはその支払い義務が発生した場合あるいは受取り日の方がそれより早い場合にはその受取日であり、キャピタルゲインの場合には資産の変更が生じたときである。又、都市区域の不動産からの所得は毎年12月31日である。 一般的に前述の日から数えて1ヵ月以内に申告書と証明書類を提出する必要がある。 一般的にスペイン居住会社、居住専門家、居住企業家から非居住者に支払われる所得に関する源泉義務を法律は規定している。例外も法律とその施行規則に規定されている。 源泉義務がある場合で源泉義務者が申告をすることで納税者は申告義務がなくなるしその逆の場合も然りである。 大半の場合上述の申告は毎月あるいは四半期ごとに所得の種類ごとに提出できる。 最後に、2004年から導入されたスペインに駐在する者に適用される制度を特筆したい。これは勤務の関係でスペインで税法上居住者となった者が一定の条件を満たすと引続き非居住者として申告できるという制度である。 二重課税防止に関する租税条約 二重課税防止に関する租税条約はスペインで恒久的施設を持たない非居住者が得た所得に対する課税を軽減するか場合によっては非課税とすることを認めている。 スペインで恒久的施設の仲介無しで活動する企業がスペインと二重課税防止に関する租税条約を交わしている国の居住者である場合は一般的にスペインでの企業所得あるいはキャピタルゲインはスペインでは課税されない(例外はスペインにある不動産から得たキャピタルゲインの場合である)。 しかしながら、株等の売却益は二重課税防止に関する租税条約中の特別規定によりスペインで課税される場合もある(主に不動産を所有する会社の株等の譲渡でその会社の株を大半所有している場合等である)。 その他の所得(ロイヤルテー、利息、配当)は以下の表に有る租税条約中の軽減税率で課税される: ********************************** - “TAX SPARING”について 控除と軽減あるいはその双方がスペイン税法上一定の種類の所得(主に利息)について支払われた外国税に適用されることから、スペインが交わしている租税条約の多くに含まれている“Tax Sparing”条項は非常に重要な意味を持っている。この条項によると、非居住者の借入れ者は利息に対して課税され実際にスペインで支払われた税金だけでなく税務利益があったとしたら支払ったであろう税金も自国で外国税控除を受けられる。 - 現在、幾つかの国(例えばアルジェリア、コスタリカ、エジプト、ストニア、グアテマラ、イラン、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカとベトナム)との租税交渉が深く進行中である。 チリ、レトニア、リトアニア、トルコ、ベネズエラとの租税条約は既に官報に掲載され2005年1月1日から有効となっている。 - 非居住会社の所有する不動産に対する特別課税 非居住会社がスペインで不動産を所有している場合は毎年12月31日の時点での公示価格の3%が課税される。 この税金は以下の場合には適用されない: - 外国国家、外国公的機関及び国際機関。 - スペインが二重課税防止の為の租税条約を結んでいてその租税条約に情報交換条項が含まれている国の居住会社で、その会社の直接間接の所有者がスペインあるいはスペインが租税条約を結んでいてその租税条約に情報交換約款が含まれている国の居住者である場合に限られる。 - この例外規定を適用するには非居住者は毎年スペイン税務当局に提出しなければならない(スペインで所有する不動産及び資本金の究極の所有者について)。更に、居住者証明書を添付しなければならない。 - スペインで経済活動をしている企業。但し、それは単なる不動産の所有あるいは賃貸と異なることが必要である。 - 慈善団体あるいは文化団体でスペインが二重課税防止の為の租税条約を結んでいてその租税条約に情報交換約款が含まれている国の法規定により公認されている場合。但し、その不動産がその定款目的の為に利用されていることが条件である。 この税金は非居住者の法人税申告上損金算入可能な費用である。 - 税務代理人 非居住者の納税者が(I)スペインで恒久的施設を有して活動する場合 (II)一定の費用を損金算入できる経済活動を恒久的施設を持たないで行う場合(III)スペイン領域で経済活動を行う外国で設立された、所得の配分制度の企業でその経済活動のすべてあるいは一部が継続的にあるいは常習的に設備あるいはいかなる種類の仕事場で行われるかスペインで代理人を通じて経済活動を行う場合あるいは(IV)所得の額と性格により税務当局により税務代理人を要求される場合は、スペインで居住する自然人あるいは法人を税務代理人として任命する義務がある。それはスペインで得た所得の申告の提出期限前に行う必要がある。この任命は任命後二ヶ月以内に税務当局に通知されなければならない。税務代理人任命義務あるいはその通知義務を怠った場合は600ユーロから6,000ユーロの罰金が課せられる。 恒久的施設の代理人とは商業登記所にその旨登録されている者あるいはその者がいない場合には恒久的施設の名義で契約をする権限を有するものを指す。 恒久的施設の代理人とは商業登記所にその旨登記されている者あるいはその名義で契約を締結する権限を有する者である。 非居住者所得税法に従うと a)非居住者納税者の恒久的施設の税務代理人あるいは b)前項(III)に言う所得分配制度会社は連帯して税務債務の支払い義務を負っている。 同様に、支払われた所得あるいは資産又は権利から発生する所得でその預託か管理を委任されている場合はそれに関する税務の支払はそれぞれ恒久的施設の介入無しに納税者が得た所得の支払者と恒久的施設に関係ない納税者の資産又は権利の預託者か管理者が連帯して責任を負っている。 この責任は支払者と管理者に源泉義務がある場合には適用されない。 源泉義務が無い場合には、非居住者の資産の預託者か管理者又は非居住者にその所得の支払をした者は連帯してそれらの資産に関する税務債務の支払いあるいは支払った所得に連帯して支払い義務を負う。 |
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