国の変更 お問い合せ
 
投資情報 / 金融制度及び法律 / 企業に適用される法制度 / 2. 商標 / 3. EU域内商標
 

3. EU域内商標

EU域内商標の一番の特徴はその統一性にある。一回の手続きでしかも一回の登録でEU諸国全域で登録され保護が受けられるのである。EU諸国は200451日からエストニア、レトニア、リトアニア、チェコ、スロバキア、スロベニア、ポーランド、ハンガリー、マルタ、キプロスの参加により全部で25カ国となっている。

EU域内商標は統一登録制度により約5億人の消費者を持つ市場を対象とすることになる。

ここで重要なのはEU域内商標はEU諸国各国の商標権にとって代わるものではないと言うことである。国内制度、国際制度、EU域内商標は並存できるものであり、場合によっては補完的なものである。

EU域内商標は一回の申請でしかも一回の手続きで統一登録をすることが出来EU諸国全域で直接保護が受けられるのである。従い、欧州で商品を売ったりサービスを提供したい企業家は売りたい国ごとに登録をする代わりに25カ国全部で商標について独占権を与えるEU域内登録を取得することが出来るのである。

又、EU商標はほとんど全世界の企業家に開かれた制度であることを強調したい。EU諸国かパリ条約の批准国に住所あるいは施設を有するかまたは世界貿易機構に加盟している国に住所を有する企業は権利を有するからである。

EU域内商標はスペインのアリカンアリカンテ市に本部を置くEU域内市場標準化事務所(la Oficina de Armonización del Mercado Interior-OAMI)が管理している。EUの公認言語である20言語のいずれかを使用してEU域内商標を申請できる。但し、申請者はOAMIの公認言語5つ(ドイツ語、スペイン語、英語、イタリア語、フランス語)を第二言語として選択しなければならない。申請に反対したり、取消しや無効を主張する際にこの言語が使用されることになる、

OAMIは所謂絶対的拒否の理由付け(つまり、EU諸国で主に商標が説明十分でない、一般的であるあるいは詐欺的であること)を基に商標を調査するだけである。比較的拒否つまりEU域内で既に既に商標が登録されていることを理由に登録を拒否するのではなく、これらの登録済み商標の所有者が反対意見をOAMIに提出するかどうかで拒否を決定するのである。EU域内では約4百万以上の商標が登録されており使用に問題が無くEU域内商標として登録可能な商標を見つけるのは実際上容易なことではない。

EU域内商標制度が前述のEU加盟国増加により拡大されたことの一番大きな効果は200451日以前に登録されたか申請されたEU域内商標が自動的に何の手続きも必要なくかつ追加費用も支払うこと無しに拡大EU諸国にも拡大適用されることである。

拡大EU域内の商標の絶対的拒否の有効性を争うことは出来ないが(例えばハンガリー語では当該商標が説明が十分であること)EU新規加盟国の地域に限定して使用する可能性は残されている。EU加盟以前に既に商標所有権者、申請者あるいは善善良管理義務を果たした購入者が存在しそれが各国の国内法に従い可能な場合に限られるが。

同様に、前段に述べたように、EUが最近マドリッド・プロトコールに加盟したことによりEU域内商標の申請手続きが商標国際登録制度に関連付けられる。これによりEU諸国居住者はEU域内商標として保護されることになりプロトコール加盟国内では更に申請書をジュネーブに預託することでEU域内商標の申請者あるいは商標所有者はその保護をプロトコール加盟国全てに拡大適用することが出来ることになる。

EU域内商標のもうひとつの大きな利点は登録をするに当たりその使用の証明を要求しないことである。EU諸国のうち1カ国でも商標を使用していれば商標登録は引続き有効となる。

登録は10年にわたり有効であり、10年毎に更新可能である。勿論更新に際しては更新料の支払いが必要である。

EU域内商標はその所有者にEU域内全域で第三者に事前の承認無くその使用や、同一あるいは類似の表示で消費者を混同させる危険のあるものの使用を妨げることが可能となる。それに違反する場合はいずれのEU諸国で行われようとその行為に罰則を科することが可能となる。EU域内商標の権利侵害問題についてはEU各国で定められるEU域内商標裁判所の管轄である。

その意味で、訴訟改正法である200379日付けの機関法第8号を参照することが必要である。この法律により司法権に関する198571日付機関法第6号が改定されているが、スペイン全域でのスペイン商標裁判所の第一審と第二審の機能をアリカンテ市にある地方裁判所内の商業裁判所と上級裁判所にそれぞれ与えている。

 



    戻る