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I. 総論

工業所有権は会社の最重要資産のひとつと考えられている。従い、新市場に参入するに当たりその保護を考えることは不可欠である。

スペインではごく幾つかの例外を除いて登録原則が貫かれている。つまり、事前に登録がされていなければ発明あるいは商号について権利を主張できないと言うことである。スペインでは例えばアメリカ合衆国と異なり先願主義(“First To  File”)が取られている。つまり、最初に申請したものが優先権を持っているというものである。従い、非常に有名な商標を除いて、使用しているからと言って第三者に対抗できる権利が発生する訳ではない。

同様に、前述した登録制度は地域性の原則を取っている。つまり、商標あるいは特許が登録されている国でしか保護がされないという意味である。その他の国では原則的には第三者が自由に使用できる。なぜなら公共性があると考えるからである。従い、商標あるいは特許の登録がされた国での保護は即他の国で保護を受けられることを意味するものではない。その結果登録をすることで他の国での保護を受けられるようにすることが必要となってくる。

工業所有権は資産の意味を持っており、丁度有体財産と同じく譲渡あるいは課税の対象となりうるし、法律上認められる方法で取引可能である。その意味で通常よく利用される契約はライセンス契約である。それを交わすことで登録された権利を第三者が対価を支払って利用できることになる。

スペインは主要な国際条約を承認しておりごく一部の例外を除いてスペイン国籍を持っていないものにも必要な権利保護を与えている。同様に、スペイン人もたいていの国で保護を受けられことになっている。

スペインがEUに属することから知的財産についてもEU指令に示された方針を踏まえて法律を制定することになっている。従い、スペインの法制度は他のEU諸国のものと歩調を整えていると言える。

付則としてスペインが承認している主要な国際条約を纏めてみた。

工業所有権で一番重要な国際条約でスペインが承認しているものは以下の通りである。

- 貿易に関連する工業所有権に関する協定。これは世界貿易機関(WTO)が決めた合意の付属書ICに関係する。

- パリ条約

- 特許協力条約(PTC)

- 欧州特許に関する1973年ミュンヘン協定

- マドリッド協定

マドリッド・プロトコール



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