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III. 金融制度改革法(2002年法律第44号)

20021122日付けの法律第44号(以下金融法と称する)は20021031日に下院で承認されたが、スペイン金融制度上重要な幾つか変更を盛り込んでいる。

まず最初にこの法律を実施するに当たり有価証券登録、補償及び精算制度管理会社(以下制度管理会社と称する)が設立されたがこれはSCLVCADE の合併の結果できた会社である。

この会社にはスペインの既存の制度も統合されているが、それは例えばデリバティブの制度であり、あるいはバレンシア、ビルバオあるいはバルセロナの証券取引所の制度である。この統合により他の国の証券市場との接続と同盟を管理することが可能となる。

ひとつあるいは複数の中央カウンターパート会社の設立が予定されているが、それは買い手と売り手の間に立ち取引のカウンターパートのリスクを排除し取引が成功裏に終わることを保証するものである。

補償と精算制度の会員間の協同組合的性格の組織が廃止されているが、それにより市場に参加しないものにも資本参加する可能性を認めるものである。

同様に、スペイン証券市場を管理する会社とスペイン国外の同種の会社との株の持ち合いを管理する制度が改正された。これによりもっと機敏に動ける制度を設けることが可能になり国境を越えた市場の統合を容易にさせる効果がある。また、同時にスペイン市場の株主構成適合化を保証するものである。

集団投資の保険、有価証券及び機関の分野ではEUとそれ以外の国の監督機関の間の情報交換を容易にし秘密保守を保証すると言う方向で機敏に情報交換をする様になっている。

組織的な取引制度についての広範囲な法規定が導入されているがそれは許可制度、株式会社の形態を取った支配会社の設立義務あるいは監督あるいは罰金制度についてである。

同様に、信用市場では信用協同組合の投資制度に柔軟性を持たせるようになり銀行及び貯蓄金庫のそれに近づいているがその目的は:

- 信用協同組合が規模が大きくなりその結果産業分野での投資がし易くなるようにすること

- 劣後金融により貸し出し債務の管理を容易にすること

信用機関の自己資産との関連では貯蓄金庫の持分に関する法規定が特筆される。これは期間に制限無く現金出資をする取引可能な有価証券として位置付けられている。この持分は額面以下では発行できずしかも証券市場で上場される。

国家の財務局の管理は固定金利商品を一時的に購入する取引を通じて行われるが、その目的はスペイン中央銀行の残高を一層効率よく運用することが出来るようにすることである。

保険業界では保険会社精算委員会(la Comisión Liquidadora de Entidades Aseguradoras-CLEA)がなくなったことが特筆される。その役割は補償共同機構(el Consorcio de Compensación)が取って代わっている。

リスク情報センター(La Central de Información de Riesgos)はその役割が強化され信用機関のリスク管理上とスペイン中央銀行が行う監督上中心的な存在となっている。

スペイン金融業界の競争力を増す為に以下の改革が導入された:

- 地域証書の創設:信用機関が発行した固定金利商品でで市町村及び自治州に譲渡されたもの

- 集団投資機関の取引の拡大:自己保有の有価証券の貸付取引、市場内及び市場外での取引(OTC)を行うことができる。

中小企業の金融面の改善の為ファクトリングの使用について法規定が設けられたが、自己保有の行政機関への債権を纏めて譲渡することを認めている。

同様に、金融機関の顧客保護の為に幾つかの対策が打ち出されている:

- 金融サービスの顧客保護委員会の創設:当該委員会はスペイン中央銀行と証券取引委員会ならびに保険及び年金ファンド総局に付属しているが、その目的は金融サービスを受ける顧客の権利を守ることにある。

2004220日付けの勅令第303号により施行規則が承認されたが、金融サービスの利用者の苦情、抗議あるいは相談を受ける為に三つの委員会が設けられている:

- 銀行サービスの顧客保護委員会

- 投資家保護委員会

- 保険及び年金プラン拠出者保護委員会

これらの委員会の権限には次のようなものがある:

- 苦情と抗議に対応すること。これらは法的に認められている利益と権利に直接関係しているもので、契約、透明性と顧客保護に関する規定、慣行と金融サービス利用から派生するかを問わない。

- 提出された苦情あるいは抗議の重要性を確認し実証するのに必要な情報を対照し、問題解決の為に必要な監督機関の情報を収集すること。同様に透明性及び消費者の保護規定の不履行あるいは違反案件を監督機関に送付し案件の解決の基礎となる考え方を打ち出すこと

- 金融サービスの利用者にその権利について助言をし権利行使の法的理由について情報提供すること

- 年間報告書を作成すること

- 必要に応じ管轄官庁に規則の変更を提案すること並びに施行規則について情報を流すこと更に顧客係りあるいは利用者保護部門あるいはサービスの機能に関する規則を報告すること

- スペイン国内及び国外の機関と関係維持ならびに意思疎通の役割を果たすこと。又、金融機関の協力を得て委員会の活動に関する情報を流すこと更に透明性、利用者保護、慣行と金融の利用に関する規則を利用者に知らせる為の広報活動を行うこと

- 信用機関、投資サービス企業及び保険会社の義務で利用者の利益と権利に関する苦情と抗議に対応し問題解決をする義務

その意味で、これらの機関は顧客係り部門を持つ義務がある。そしてそれは独立した機関あるいは専門家から成り立ち拘束性ある判断をする権限を有する。

2004311日付けの経済大蔵省省令第734号は金融機関の顧客係り部門とそのサービスと顧客保護機関の創設に関する規則である。

顧客係あるいは顧客サービスの目的は顧客の苦情と抗議に応対し問題解決するところにある。この顧客係あるいは顧客サービスは他の部門と独立していなければならず、迅速、安全、効率、協調の原則の基に行動しなければならない。同様に人的資源、資材、技術、組織面で透明性と金融サービスの顧客の保護に関する規定を適切に知っていることを保証出来るだけの手段を備えていなければならない。

顧客保護者はそれを持つかどうかは任意に任せられている機関であり、金融機関の外部機関であることも可能である。その目的は権限を有する事項に対する抗議に対応し問題を解決することであり、透明性、顧客保護、慣行、金融利用の規則の履行を推進することである。顧客保護者は金融機関とは独立して行動しその機能を果たす為適用される基準方策については完全に自治権を持っていなければならない。

金融機関は顧客係あるいは顧客サービス、顧客保護者の活動及び両者の関係を規定する顧客保護規則を作成し承認する必要がある。最後に顧客係あるいは顧客サービス又顧客保護者がいる場合は顧客保護者は年間報告書あるいは概要書を作成提出する義務があり、それは金融機関の事業報告書の中に入れられなければならない。

2004年の新機軸としては2003年の税務、行政、社会秩序に関する法律第62号で貸付と信用権利に関する所謂合成証券化を導入しているが、その特徴はそれから発生するリスクを単数あるいは複数のデリバチブを契約することで引き受けることである。

デリバチブのカウンターパートは信用機関、投資サービス機関あるいはこれらの機関しか法律で行えない業務を許可されている非居住者機関でなければならない。

これらの取引のその他の点については資産の証券化ファンド及び証券化管理会社に関する1998年の勅令第926号が適用される。



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